理事長あいさつ

日本弱視斜視学会 理事長 仁科幸子

日本弱視斜視学会 理事長
令和7年(2025年~
仁科 幸子
Sachiko Nishina

 2025年6月5日付で第九代日本弱視斜視学会理事長を拝命いたしました。

 弱視や斜視は、多くの方々が罹患する“Common disease”です。早期発見によって治癒の可能性がある視機能障害です。本学会の目標は、「0歳から100歳まですべての年代の方々が、弱視や斜視を克服して、よりよい両眼視機能を獲得・保持し、QOLの向上を実現すること」です。

 1964年に日本弱視斜視研究会として発足した本学会は、「小児期における視力(視覚中枢)の発育障害である“弱視”、および両眼視(立体視)機能障害をきたす“斜視”の病態・診断・治療法の研究」に取り組み、臨床に直結する画期的な成果を挙げてまいりました。また、1966年に設立された国際斜視学会International Strabismological Association (ISA)と連携してきました。

 60年の歴史を刻み、眼科医、視能訓練士、視覚に関連する医師や研究者、総計1,400名を超える会員が所属する学会となりました。総会では、垣根を越えて活発な情報交換・議論を行い、有益な知見を発信し、日々の臨床に貢献しています。

 さて、私達を取り巻く今日の社会は、少子高齢化、情報技術の革新によって、60年前とは大きく変容しました。デジタルデバイスに関連する急性内斜視、近視や加齢に伴う斜視など、環境要因や生活習慣の影響による斜視の増加がQOLの低下を招き問題となっています。一方、AI, Virtual Reality, ゲノム医療, 再生医療, 脳の臨界期の制御法など、新たな科学技術の発展が、弱視や斜視の臨床に寄与する日も近いことでしょう。

 会員の皆様とともに、新旧の課題に取り組み、社会へ貢献できるように尽力してまいります。

 どうぞ宜しくご支援ご協力のほどお願い申し上げます。